アディダス・フォーラム（adidas forum）は1984年に登場したバスケットボール・シューズ。
1984年7月にアメリカ・ロサンゼルスで開催された夏季オリンピックに向けて開発されたモデルです。
「フォーラム」というネーミングはバスケットボールの試合会場となった、カリフォルニア州イングルウッドの屋内競技場「ザ・フォーラム」から。
当時ロサンゼルス・レイカーズのホーム・アリーナであったことで知られています。
マイケル・ジョーダンも愛用した バスケットボール・シューズのトップモデル。
デザインの特徴はプロ仕様のハイエンドモデル「トップテン」をベースに最新機能を追加。
ミッドソールの網の目「ウェブ・システム」やプラスチック製のヒールカウンターなどランニングシューズの仕様をバスケット・シューズに落とし込んだユニークなモデルです。
足首を保護するためのアンクル・ストラップも大きな特徴。
前年リリース「コンコルド」に採用されたベルクロ・ストラップを十文字型にアレンジ。テーピングの機能をストラップが果たすというもので、ホールド感を高めています。
オリジナル・ファーストカラーは「ホワイト/ブルー」。
追加カラーリングは「ホワイト/ニュートラル」「ホワイト/レッド」「ブラック/ホワイト」「グリーン/ホワイト」「レッド/ホワイト」「ブルー/ホワイト」。
「ホワイト/ブルー」「ホワイト/ニュートラル」
（アディダス・フットウェア・カタログ1986年版）
ストラップ装備のローカットモデルもリリースされ
「ホワイト/ブルー」「ホワイト/ニュートラル」「ブラック/ホワイト」
のバリエーションが登場しました。
Adidas Forum. low-top, black with white stripes
: The Source May 1991
Hip-Hop系音楽誌「ソース・マガジン」1991年5月号に掲載されたフォーラム・ローカット。
また、元NBAのレジェンドプレーヤー、
マイケル・ジョーダンがシカゴ・ブルズの入団直前、
ナイキと契約直前の1984年
ロサンゼルス・オリンピックのアメリカ代表選考大会
で着用していたシューズとしても知られています。
via. Rare shots: 1984 Olympic Basketball Trials : Sports Illustrated
1984年4月22日インディアナ州インディアナ大学で開催された
ロサンゼルス・オリンピックのアメリカ代表選考大会より。
マイケルジョーダンは
オリジナル・アディダス・フォーラム、
ファーストカラーのハイカットモデルを着用しています。
オリジナル・アディダス・フォーラム メイド・イン・フランス
1984年製のファーストモデル。製品番号はAG 3742。フランス製。
マイケル・ジョーダンがロサンゼルス・オリンピックの
代表選考大会で着用したものと同タイプです。
アッパー素材はフル・グレイン・レザー。足首には交差システムのベルクロストラップ搭載。
ミッドソールには発泡系EVAが
さらにクッショニングを強化するための
網の目状「デリンジャー・ウェブ」が採用されています。
ストラップ・サイド部分、アディダスロゴの下には
PAT. PENDING
とプリント文字が。
「アディダス・パットペンディング」という
モデル名ではありません。
Patent Pendingの略で「特許出願中」の意味です。
adidas forum 1984 made in france
別注モデル / コラボモデル
ハープッツ 30th x アディダス・フォーラム 25th アニバーサリー・モデル
Harputs x adidas Forum Mid
via. hypebeast.com
伝説のスニーカーショップ、アメリカ・サンフランシスコの「ハープッツ」が2008年にリリースした別注モデル。（現在ハープッツは閉店）
アディダス・ショップ「Harputs adidas」としてスタートしたハーブッツの創設30周年を記念して、さらにアディダス・フォーラム誕生25周年を記念して限定リリースされたコラボモデルです。
デザインのアレンジには、バスケットボール・シューズの古典「アディダス・アメリカーナ」のテイストをサンプリング。
アッパーにはメッシュ素材を使用。ストライプのトリコロールカラーは、かつて存在したバスケットボール・リーグ「ABA」のシンボルカラーです。（アメリカーナはABAの公式シューズでした）
アディダス・アメリカーナ・ハイ 復刻モデル（2013）
via. Crooked Tongues
「ハープッツ」のTVコマーシャル。超初期オークランド時代とサンフランシスコに移転してからのもの。
Harputs CM
デフ・ジャム 25th アニバーサリー・モデル
Adidas Forum Mid Def Jam Red/Gold
via. www.solebox.com
ヒップホップ/R&B系老舗レーベル
「デフ・ジャム・レコーディングス」設立25周年を記念して
2009年に限定リリースされたコラボモデル。
（偶然にもアディダス・フォーラム、デフ・ジャム共に1984年デビュー。）
アッパーにレーベル・カラーを落とし込んだコレクターズ・アイテムです。
Rock Hard / Beastie Boys (1985) Label Def Jam
復刻モデル / 限定モデル
adidas forum mid white/royal/red
via. chapter-express
アッパーにホワイトレザー。3ストライプにはABAのリーグカラーを落とし込んだ復刻モデル。2011年リリース。
adidas forum lo white/white
via. image from pistacchio
アッパーのレザー、ストライプ、ソール共にオールホワイトなフォーラム・ローカット。2011年リリース。
adidas forum mid light scarlet/white
via. image from pistacchio
アッパーに真っ赤なエナメルレザーを採用したミッドカット・モデル。同時にイエロー、インディゴが発売されました。2010年リリースの店舗限定モデル。
adidas forum mid rs wheat
via. chapter-express
マットなウィート・レザーを使用したミッドカット・モデル。スリー・ストライプスや、アディダスロゴ、アイレット（はとめ）などのパーツを同色にまとめ、ソールのホワイトで全体を引きしめています。2011年リリース。
adidas forum lo future forest/black/white
via. kinetics
アッパーにカーキグリーン系のナイロンとキルト素材を使用したミッドカット・モデル。ライニングやアウトソールなどにはオレンジを配しMA-1などのミリタリージャケットな一足に仕上げています。2010年リリース。
adidas forum mid black/white
via. pistacchio
オリジナルの配色、ブラック/ホワイトをミッドカットに落とし込んだベーシックな復刻モデル。2012年リリース。
アディダス1992年のカタログから
アディダス・フォーラム・ハイ
フルグレイン・レザーをアッパーに採用。十文字アンクル・レース・システムを使用。このシステムは特許を取得しています。密度の高いゴム製の「スタビロ・サポート・システム」が安定性を実現。
2種類の密度から成る内蔵ヒールキャップ。ライニングにはクロムレザーを使用しています。
シューズ内面には
デリンジャー・ウェブ・システムで覆われた微孔性ミッドソールを。ゴム製アウトソールにはマルチ・ディスク模様が刻まれ
さらにエッジをノコギリ状にすることで素早いカッティング（動き）を実現しています。カラー：
ブラック / ホワイト
ホワイト / ニュートラル
フォーラム発売時の広告から（1984年）
1984年スポーツ誌に掲載されたアディダスの広告。
新作「フォーラム」の特徴を詳しく解説しています。
「フォーラム」はバスケットボール・シューズの最上位モデル
偉大なる金字塔。旧モデル。さらにその前のモデル … 。名作バスケットボール・シューズを生み続けるアディダスが、
偉大なるネクスト・モデルを提供いたします。「フォーラム」の登場です。
「フォーラム」はまさに80年代のバスケットボール・シューズです。
広告文「前のモデル、さらに前のモデル」の意味するところは
前年リリースのハイエンドモデル「コンコルド」
さらに歴史的モデル「トップテン」「アブドゥル・ジャバー」「スーパースター」と遡り、
アディダスは名作シューズを生み続けていることをアピールしています。
そして「フォーラム」はその系譜に連なる
次世代最上位モデルであることを、ここではプロモーションしています。
ハイテク・クッショニング機能「ウェブ」搭載
アディダス開発のユニークな衝撃吸収システム「デリンジャー・ウェブ」。
アディダス・フォーラムは「デリンジャー・ウェブ」を搭載した唯一のバスケットボールシューズです。
網状のナイロンが靴底にかかる衝撃を分散させることによって足への負担を軽減。
加えて衝撃吸収インレイ・ソールと内蔵ヒールキャップがさらに足を保護します。
「デリンジャー・ウェブ」は当時オレゴン大学でクロスカントリーのコーチを努めたビル・デリンジャー氏が考案したクッショニング・システム。「ウェブ・システム」「ウェブ」とも呼ばれています。
「蜘蛛の巣」からのインスパイアで、ミッドソールに張り巡らされた文字通りウェブ状のナイロンが着地の衝撃を分散するというもの。
2年前の1982年にナイキが、ランニングシューズのために開発したクッショニング「エア」を搭載した「エアフォース1」をリリースしていますが、
ランニングシューズのために開発された「ウェブ・システム」をバスケットボールシューズへ搭載。という発想はアディダスにとって必然だったのでしょう。
フィッティングのためのベルクロ・ストラップ。 サポートのためのヒールカウンター。
「フォーラム」はすべてのプレーヤーが
プレーの安定性をより高めるために設計。
機能性の高さを提供します。新機能「クリス・クロス（十文字）システム」によって調整が可能に。
革製のストラップは、横方向に動く足首をキープ、怪我を防ぎます。
革製のベルクロストラップを搭載。
フィッティングを調節し
足首をサポートします。
さらにかかと部分には「ヒールカウンター」をプラス。
「ウェブ・システム」同様ランニングシューズの新機能を導入しています。
より良いバランスと迅速な運動制御を可能にするため
硬めのゴムでできた「スタビロ・ヒール・カウンター」と
幅広めの「パワー・トラック・ソール」を追加しました。
アウトソール、足首回り、爪先部分のデザインも旧モデルのデザインを踏襲しつつ
微調整、マイナーチェンジが行なわれています
さらに大きな機動性のために「アンクル・ヒンジ」を採用。
屈曲仕様の爪先部「フォア・フレックス・トウカット」を改善しました。
これらはしばしば模倣されますが決して同じではありません。
特許を受けた特徴的な機能は、速攻の場面でさえ
あなたの足にナチュラルなしなやかさを与えます。
ライバル会社はアディダスのコピー品を生むけれども、あくまでアディダスはオリジネイターなブランドであることを強調。
アンクルストラップ等、特許として出願しています。
さらに安全性、耐久性だけではなく、
プレー中の快適性についても追求していることをアピールしています。
私たちが快適さを忘れたと思わないでください。
ライニングには水分を吸収するテリークロス（タオル地）を採用。
快適なクッショニングをプラスしました。1980年代のシューズへ、アップ・コート。
アディダス・フォーラムは偉大なる
これからのバスケットボール・シューズです。
アディダス・フォーラム
via. www.adidas.com
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