ナイキ・エアマックス95(Nike Air Max 95)は、プロ仕様の長距離ランニング用シューズとして登場。1987年からスタートしたエアマックスシリーズの1995年バージョンです。
特徴のあるデザインは筋肉や骨など人体からインスパイアされたもの。
ランニングシューズとしては当時斬新過ぎた形状とカラーリングのため、アスリート界隈ではスルーされるも、ストリートシーンで再評価され、流通量が少なかったために超プレミア化したモデルです。
ナイキ・エア・マックス 95 新作・新色コレクション(amazon)
真黒なソールはアウトドア的発想
エアマックス 95のデザインを手掛けたのはセルジオ・ロザーノ氏。セルジオ氏は当時ナイキACGのチームにいたアウトドア系のデザイナーで、前年アウトドアシューズのヒット作「エアマーダ」を生んでいます。
関連記事:ナイキ・エアマーダ(Nike Air Mada)
エアマックス95のファーストカラーは当時ランニングシューズとしては常識破りな真黒なソールですが、アウトドア系デザイナーならではのアイデア。
セルジオ氏はインタビューで「汚れを目立たせないための黒」と答えています。
Sergio Lozano On The Anatomy Of The Air Max 95 : Sneaker Freaker
エアマックス95の「配色」を思いついたのは私です。当時ナイキにはカラーデザイナーはいませんでした。
現在は大勢のカラーデザイナーがいて、みんな見事な仕事をしています。
しかし、当時はプロダクトデザイナーがシューズをデザインする場合、すべてを手掛けなければなりませんでした。
エアマックス95の配色は実際に機能性を考えてのものです。
私たちが単に美しさを追求しただけではなく、私たちが気付いたことを配色に生かしました。
ナイキ本社のあるオレゴン州ポートランドでは、かなりの量の雨が降ります。当時、ナイキのスニーカーはミッドソールは白が一般的で、そんな日は即効汚れてしまうのを知っていました。
では「配色で汚れを目立たなくするのはどうだろう?」
それは大いにアリだと。そして色を反転させるというアイデアが浮かびました。
一番下を黒から始めるのです。そして汚れを隠す。そして徐々に白くしていくのです。
発売当時のカタログから
ナイキ・フットウエア・カタログ(1995年秋)から。翻訳文は日本版カタログを抜粋。
走行中を通して、もっと優れた衝撃吸収性がほしい。長距離ランナーたちからのそんなニーズに答えたのが、ナイキ・エアマックス。
ヒールが着地した瞬間から爪先が地面を離れるまで、解剖学的に適正な衝撃吸収性とサポート性、そして屈曲性を発揮する。
ナイキ [エア] クッショニング。それは現代のアスレティックシューズ・テクノロジーの中で、最も優れた技術だといえるだろう。
その根拠となるのが、[エア] ならではの永劫不変な衝撃吸収性と快適な履き心地、そして際限なき多様性だ。
この多様性によって、ナイキ [エア] は、従来のクッショニングユニットを縛り付けていた応用の限界を超越。次々とその行方に、新たな可能性を切り拓いてみせるのである。
’95秋ラインにあって、それを証明してみせるのが、最大ボリュームのビジブル [エア] ユニットを前足部に搭載したナイキ・エアマックスシリーズのニューフットギアたちだ。
新しいナイキ・エアマックスの前足部に搭載された [エア] ユニットの衝撃吸収性は、従来のフォアフット [エア] ユニットのすくなくとも3〜5倍。
前足部のビジブルエア化に成功した 初のナイキスニーカー
The Evolution Of Visible Air : Nike.com
エアマックス1とエアマックス180、エアマックス90には、すべて前足部にもエア・ソールユニットが装備されていましたが、ミッドソールのフォーム内にカプセルのように内蔵されていました。
完全にフォーム(クッション材)を使用しないランニングスニーカーを追求するうちに、歴史的な一歩となる画期的な発見。ブロー成形と呼ばれる新しいエアソールの製造方法です。
ナイキ・エアマックス93で初めて採用されたテクノロジー「ブロー成形」は、3次元形状のエアーソールの作成を可能に。また、この技術は空気圧に依存しないという利点がありました。
これによって「エア」を曲線にすることが可能に。エアソールをシューズの湾曲にフィットするように、作ることができるようになりました。
この技術革新を最大限に活用。ナイキ・エアマックス95には、「ブロー成形」によって作られた2つのエアーソールユニットを搭載。初めて前足部に「エアが見える」エアマックスの登場です。
* 参照「ブロー成形」
「ブロー成形」とは、溶かした樹脂に窒素ガスなどを吹き込み、製品を成形する技術。ペットボトルやポリバケツ等がこの技術によって作られています。
標準化学工学/松本道明 他著(出版社:化学同人)「PETボトルのつくりかた -ブロー成形の概要-」より
PETボトルの製造にはブロー成形(中空成形)技術が用いられる、そのブロー成形機の概要を図に示す。
溶融した樹脂は押し出されてバリソンを形成する。バリソンは風船を少し膨らませて吊り下げた状態のものと考えたらよい。このバリソンを、PETボトルの形状をした金型で取り囲み、バリソン内部を窒素ガスなどで加圧して金型に密着させる。樹脂を冷却固化させ金型を取り外すとPETボトルが製品として取り出される。
ブロー成形は、PETボトルだけでなく多くの製品の製造に利用されているが、大きいものでは自動車のリアースポイラーなどもこの技術によってつくられている。
不朽の名作「ネオン」
ニューヨーク発のカルチャーメディア「ハイスノビエティ」恒例の、歴史的ベストスニーカーを選ぶ企画。歴代エアマックスからベストモデルを選出する、という壮大なもの。
コラボモデルも含め27モデルをチョイスしたのは、オランダ・アムステルダムの人気スニーカーブティック「Patta」のメディアディレクターでデザイナーのマスタ・リー氏。
エアマックス95のファーストカラー「ネオン」は不朽の名作と評されています。
The 27 Best Air Max Models of All Time : Highsnobiety
ナイキ・エアマックス95(1995年)
エアマックス95を製作するにあたって、ナイキのデザイナー、セルジオ・ロザーノ氏の発想の起点となったものは、人間の背骨など人体解剖学からのインスピレーション。
シリーズで初めてビジブル・エアユニットを前後に搭載したモデルで、かかと部分と前足部分の異なる圧力の「エア」は、優れたクッション性とサポート効果を発揮しました。
最先端技術を採用したことで高価格化。しかし、これは絶大な人気にストップをかける理由にはなりませんでした。代表作であるオリジナルカラー「ネオン」は、発売後すぐに不朽の名作となりました。
オリジナル・カラーバリエーション
1996年エアマックスは形状のモデルチェンジはせずに、カラーバリエーションモデルをリリース。
メンズは通称「白x赤」(または「レッド・グラデ」)、レディースは通称「エメラルド・ボーダー」。「新しすぎて」賛否両論だったファーストカラーは廃盤となり店頭から消えたことでその後再評価、超プレミア化していきます。
ナイキ・エアマックス
軽量の人工スエードと通気性のあるメッシュアッパーには、骨格状に形作られたサポートフレームを採用。
ナイロン製のアイステイ(靴ひもを通すパーツ)は、帯ひも状のストラップ仕様です。
ミッドソールはポリウレタン製。最大ボリュームの「見える」クッショニングは2か所。ヒールと足先部のエアソールはそれぞれ独立して働きます。
正しい走行をサポートするワッフルソール。深いフレックス溝が施されたアウトソールは耐久性が高く、再生素材によって作られています。
レディース [05052311] ダーク・スプルース/バーシティー・ロイヤル/ホワイト
メンズ [04050161] コメット・レッド/ブラック
1995年製。オリジナルビンテージ
北米在住のebayメンバーでビンテージスニーカーを販売する、happy_-_mondaysさんのコレクションより。1995年製のファーストカラー、オリジナルビンテージ。
商品説明より。
エアマックス95のメンズサイズ13です。1995年製のオリジナルモデルで、レトロ(復刻)ではありません。
復刻モデルとは微妙に異なるディテールがたくさんあります。箱有りで未使用。アーチサポートと冊子付属。経年による劣化箇所があります。
左の靴のかかと部分にはいくつかのひび割れがあり、ネオンカラーはゴールドイエローに変色しています。
箱にはこすれた傷がいくつかありますが、それほど悪い状態ではありません。
コレクション用として販売しております。着用に関しては自己責任でお願いします。
ナイキの歴代ランニングシューズの中でも最高傑作モデルのひとつ。現在このような状態で見つけるのは非常に困難です。
セカンドカラー「ブルーグラデ」 オリジナルビンテージ
北米シアトル在住のebayメンバーでビンテージスニーカーを販売する、fetishforthesekicksさんのコレクションより。国内では「ブルーグラデ」として親しまれる1995年製のセカンドカラー、オリジナルビンテージ。
ソール部分は経年による加水分解を起こし、なんらかの圧力がかかると粉々になる寸前です。イエローのエアも破壊していますが、未使用ということで、アッパー部分の新品状態のままのグラデーションの美しさを保っています。
商品説明より。
1995年製、ナイキ・エアマックス95(ホワイト/ニューグリーン/ブルースレート)サイズUS8.5
シューズは未使用ですが欠陥があります。中底の状態がひどく悪化しており、かなり壊れています。
写真より破損している可能性が非常に高く、シュリンクフィルム(熱収縮フィルム)による包装など、これ以上の損傷を避けるために慎重な梱包作業をおこないます。
爪先のレザー部分が経年によるひび割れ、接着剤の変色などがあります。
オリジナルの箱には解剖学に基づいたアーチサポートが付属。非常にレアなシューズです。靴は100%本物を保証しています。
アウトソールの差し色、セカンドカラーはグリーンです。
レディース「エメラルドボーダー」 オリジナルビンテージ
英国在住のebayメンバーでビンテージスニーカー/アパレルを販売する、irishlady1911さんのコレクションより。国内では通称「エメラルドボーダー」としてオールドエアマックスファンには人気のある1995年製のウイメンズカラー、オリジナルビンテージ。
商品説明より。
新品、未使用、損傷の無いオリジナルパッケージ(箱、袋など)、オリジナルのタグ付き。靴のサイズ UK9.5。
究極のビンテージ、レディースサイズ「95」のオリジナル。
箱有り未使用品(BNIB)、完全なデッドストックで超希少品です。1995年10月12日にリリースされ、一度も着用されていません。
塗装の色褪せやソールの黄ばみ(写真を参照)がありますが、20年以上のスニーカーには避けることができません。
左の靴、踵側のエアの下の方にひび割れがありますが、それ以外はミント・コンディション(新品同様)です。
エア部分「25PSI」の文字は「エア」内の空気圧を表す数字。
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