ナイキ・エアマーダ(Nike Air Mada)

ナイキ・エアマーダ(Nike Air Mada)

Nike Air Mada
via. Popular Mechanics


ナイキ・エアマーダは1990年代半ばにナイキACGから登場したアウトドアシューズ。

軽量性とサポート性能を高いレベルで兼ね備えた、トレッキングシューズのヒットモデルです。

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オリジナルビンテージ ファーストモデル

ebayにビンテージスニーカーを出品するアメリカ人xanp6461さんのコレクションから、1990年代製のエアマーダ・ローカット。


アッパーのデザインから、1994年リリースの最も初期バージョンと思われます。


サイズは「US Mens 9.5」の韓国製。


使用感はありますが状態はいい方です。エアマーダは軽量登山靴としての実用性の高さでヒットしたモデルなので、当時所有していた皆さんは履きつぶし処分されたのか、初期モデルはなかなか市場にも登場しないレアモデルです。

エアマーダ・ミッドカット・オリジナル

こちらもebayメンバーの方。ギリシャからビンテージスニーカーを出品するstavnetさんのコレクションから、1994年製のエアマーダ・ミッドカット。


サイズは「US 8.5」「EUR 42」
カラーは「Sandalwood\patina\mulberry」


ミッドソールの加水分解がかなり進み、着用するのは見るからに無理な様子。

モノトーンバージョン

珍しいモノトーンバージョン。アメリカ在住のstarcitytradersさんのコレクションから、1994年製エアマーダ・ローカット。


サイズは「US Mens 6.5」「EUR 39」


同じく白黒バージョンを所持されているACGコレクターHATAKE氏よると「モノトーンカラーはフットアクション別注モデルで、当時一番人気だった」ということです。


「鋭い歯」、そして「優しい」。 発売当時の雑誌広告から。

北米の音楽雑誌「スピン」1994年5月に掲載されたナイキACGの広告から。

アウトドアシューズ「ナイキ・エアマーダ」の広告としては最も初期のもの。

Nike Air Mada

Nike Air Mada
Magazine Advertisement (1994)


雑誌の見開き全面に掲載された広告はインパクト大で、新製品としてナイキがかなり「推していた」ことがわかります。

左ページのキャッチコピーはスターウォーズのオープニングを思わせる、黒地に白文字の画面構成。

Nike Air Mada

Nike Air Mada
Magazine Advertisement (1994)


奥へ奥へと進むキャッチコピーが、「a long time ago…」のようにファンタジー感を演出しています。

エア・マーダを
「森に住む生き物」
に例えるとすれば

しなやかで、すばやくて、優しい
そして
大きくて鋭い歯を持っている
といったところでしょう。

IF THIS WERE A
WOODLAND CREATURE
IT WOULD BE
SLEEK,
NIMBLE,
FRIENDLY
AND HAVE
BIG SHARP TEETH

AIR MADA

「マーダ」というネーミングはおそらくインド神話に登場する怪物「Mada」からの引用でしょう。

右ページでは、お花畑に横たわる心優しいエアマーダが大きな歯を見せ、にこりと微笑んでいます。

Nike Air Mada

Nike Air Mada
Magazine Advertisement (1994)


また広告下の方には注意を促すように一輪のピンクのガーベラが。
「アウトソールにはエコ素材を使用」と記述されています。
Nike regrind

Nike regrind

ナイキ・リグラインド・アウトソールは、耐久性のあるリサイクル素材で作られています。

Nike regrind Outsoles are made of durable recycled materials.

同年、ミッドカット登場。

ミッドカットモデルは同年1994年、ACG秋冬コレクションより登場。

こちらの広告は「スキーマガジン」1994年11月号に掲載されたもの。

Nike Air Mada

Nike Air Mada
Magazine Advertisement (1994)


モノトーンのフォントと写真をベースに真っ赤なアクセント。
シューズの名前とエアクッション搭載であることを強調しています。

私たちは、このレザーシューズを
「エアマーダ」と命名しました。

さらに正確に言うと、
フルグレインレザー製のアッパーと
成形ゴム製のヒールカウンター、

トラクション性能に優れたラギッドソールには
ナイキエア・クッションをたっぷりと搭載、

アウトドア・アスレチックシューズの
軽量モデル「エアマーダ」です。

Nike Air Mada

Nike Air Mada
Magazine Advertisement (1994)

「4か月間履いてみた」

当時のレビュー記事、北米のアウトドア情報誌「バックパッカー・マガジン」1994年10月号では「バックカントリーキャンプにふさわしいアイテム特集」にてエアマーダのミッドカットモデルを紹介。

Nike Air Mada Mid

Nike Air Mada Mid
via. Backpacker magazine (1994)


エアマーダの性能の詳細に加え、
4か月間着用した感想等をレビュー記事としてまとめています。

ナイキ・エアマーダ・ミッド

「軽いは正義」
しかし、その原理をフットウエアに適用すると、
足首をしっかりと固定できない、
と残念なことになりがちです。

重量を増やすことなく、そのサポート性能を得ることができるのならば、それは予期しない「ボーナス」のようなものと考えてください。

しかし、ナイキのエアマーダはその両方を満たしています。

エアクッションのランニングソールに加え、ポリウレタン製ミッドソールや、アッパー足首周りのパッド、ヒールを強化するピケットなどを組み合わせることで、ナイキ・エアマーダ・ミッドはランニングシューズの軽さで、ブーツのように足首を支えることを可能にしています。

Nike Air Mada Mid

Nike Air Mada Mid
via. Backpacker magazine (1994)

私がほぼ4か月の間、エアマーダのミッドカットを着用してわかったこと

それは、斜面を飛び越えたり、
峡谷の岩場をよじ登りボルダリングする際に着用するのも、
一泊や週末に普通に着用するのも、
同じくらいに調子がいいことがわかりました。

「リグラインド・アウトソール」の素材は、埋め立てゴミとして廃棄されるはずだった生産スクラップをリサイクルして作られたもので、しかもそれは、耐久性に優れ、湿った地面と乾燥した地面の両方での、高いトラクション性能を証明しました。

ソールの前側は厚く、ヒール部分にはエアクッションを搭載しており、
硬質な表面を越える際の衝撃に対して、ショックをしっかり吸収分散してくれます。

テーパード状のポリウレタン製ミッドソールは
エッジをかけ安定性を保つのを助け
鋭い岩による負傷から足の裏を保護します。

同雑誌には記事と連動プロモーションとして
アウトドア向けナイキ・アパレルの見開き広告が掲載。

Nike Apparel

Nike Apparel
Magazine Advertisement (1994)


ストームクルーザージャケットとクライマフィットに身を包んだ男性モデルは、エアマーダのミッドカットモデルを着用しています。

Nike Air Mada Mid (1994)

Nike Air Mada Mid (1994)

「歴代名作トップ25モデル」に輝く 名作エアマーダ

ニューヨーク発のカルチャーメディア「ハイスノビエティ
2014年6月に特集された「ナイキACG・歴代トップ25」という企画記事から。

Top 25 ACG Models of all time

「エアマーダ」は上から4段目、左から2足目。
Top 25 ACG Models of all time
via. highsnobiety.com


The 25 Best Nike ACG Models of All Time : highsnobiety.com

ナイキのアウトドア・カテゴリ「ACG」から、歴史に残る名作トップ25モデルを選出という魅力的なこの企画。
ここでエアマーダは名作モデルのひとつとして選ばれています。

「選考委員長」は、スニーカーの歴史研究家で、スニーカーライターとして知られるゲイリー・ワーネット氏。今は亡きロンドン発の伝説のスニーカー・プロジェクト「クルックド・タンズ」の元メンバーとしても知られる人物です。

Nike Air Mada (1994)

Nike Air Mada (1994)
via. highsnobiety.com

ナイキ・エアマーダ(1994)

ナイキ・エアマーダは「ユタ」同様、中価格帯ユーザー向けに開発されたモデル。

ティンカー・ハットフィールド氏のデザイン理論を、エアマックス 95やポケットナイフのデザイナー、セルジオ・ロザーノ氏の協力のもと実現したものです。

(スニーカーの)業界を研究されている方はご存知のように、値段的には中価格帯のシューズであるこのモデルは「エア・マーダ」という素晴らしい名前がつけられ、通称「草刈りをしているパパ」の売上げを越える爆発的ヒット商品に。

(興味深いことに、エアエスケープIIのアウトソールには、奇妙な「草刈り」のロゴが採用されています。)

そして歴史に残るクラシックモデルとなりました。

それがキャンバス・バージョンや、
古典的なスエードであったとしても、
そうでなかったとしても

続編が続々とリリースされたとしても、
またリリースされなかったとしても

ジェリー・サインフェルド氏の足元を飾ったとしても
彼が履かなかったとしても

偉大な一足に変わりありません。

関連記事:ゲイリー・ワーネットが選ぶ「ACG」名作スニーカー 25選!

ジェリー・サインフェルド氏とはニューヨーク出身のスタンダップコメディアンで人気俳優のこと。

スニーカーコレクターとしても知られ、彼が主演の人気ドラマ「となりのサインフェルド」シーズン6のエピソード4(1994年10月13日放送)では発売されたばかりのナイキ・エアマーダを着用しています。

Seinfeld

“Seinfeld”season 6 episode 4 (1994)
via. NBC


Seinfeld

“Seinfeld”season 6 episode 4 (1994)
via. NBC


また、記事の中にある「草刈りをしているパパ(the dads doing the mowing)」とは同時期にリリースされた「ナイキ・エアエスケープ2」のこと。

Nike ACG Air Escape II

「草刈りをしているパパ」
via. www.rootsbk.net


発色の良さで人気だったこのアウトドアモデルよりもエアマーダのほうが売れた、とゲイリー氏は語っています。

Nike ACG Air Escape II

Nike ACG Air Escape II
via. www.rootsbk.net


Nike ACG Air Escape II

Nike ACG Air Escape II
via. www.rootsbk.net

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