ナイキ・アクアソック(Nike Aqua Sock)は1980年代に登場したアウトドアシューズ。サーフィンやボート、水泳などのウォータースポーツ用に開発されたハイテクスニーカーです。
「ソック」シリーズの
マリンスポーツ・バージョンとして登場
ナイキ・アクアソックは1980年代中頃、ナイキ・カタログに登場。
Nike Aqua Sock
Nike Catalog (1987) via.Nike
特徴的な靴下状のフォルムは、前年登場のランニングシューズ「ソックレーサー」や「ソックトレーナー」のデザインを受け継いだもの。

ナイキ・ソックトレーナー(左)とソックレーサー(1986)
Nike Sock Trainer & Nike Sock Racer (1986) via. Nike
水陸両用仕様で、ハイテク素材「スパンデックス」を採用した速乾性のメッシュアッパーが水はけをよくし、アウトソールには滑り止めに細かいラバースタッズのワッフルソールを使用。海の底が岩場の場合も足の裏をカバーしてくれます。
オリジナルモデルは、スリップオン・タイプで
後に派生モデル、ストラップで足にフィットさせるタイプ(Aqua Sock Too)やジップアップのブーツタイプ(Aqua Boot)なども生まれました。

Nike Aqua Sock & Aqua Sock Too, Aqua Boot (1989) via. Nike
ポリウレタン素材による発色の良い鮮やかなカラーリングも人気の秘密。
マリンスポーツはもちろん、水辺のキャンプなどのコンフォートシューズ、スパでのバスシューズとしても便利な、オールラウンド・シューズというコンセプトが画期的でした。
ナイキ・アクアソック新作・新色コレクション(amazon)
Amazon KICKS(アマゾンキックス)
アクアソック360(Aqua Sock 360)

Nike Aqua Sock 360 (2017) via. nike.com
2017年春夏向けに登場した新作アクアソック。アーカイブモデルに敬意を払いながらハイテク素材を用いて現代的にアップデートしています。

via. nike.com
アッパーには最先端のニット素材を採用。繊維は伸縮の強弱を部位によって変えています。

via. nike.com
ヒールカウンターにはラウンド状の樹脂パーツを採用。

via. nike.com

via. nike.com
特徴的なアウトソールは3パーツに分かれており、足裏に柔軟性を提供。ランダムな線の溝が滑り止めに対応しています。

via. nike.com
カラーバリエーションはブルーに加え、オレンジ、
アウトソール先部分が黄色いグレーが登場。
さらにベーシックな黒が登場しています。
ナイキ・アクアソック 360 新作・新色コレクション(amazon)
アクアソックの歴史
1987年のヨット雑誌から
北米発ヨットの専門雑誌「ヨッティング・マガジン」1987年4月号最新デッキシューズ特集より。
リリースされたばかりのナイキ・アクアソックは
ウインドサーフィン用シューズ(スリッパー)として紹介されています。
![]()
1987年のデッキシューズ
(左から)
ナイキ・アスレチック・デッキシューズ
ハーケン2000(セーラー・シューズ)
ナイキ・ウインドサーフィン・スリッパー
スペリーズ・スタイリッシュ・シアサッカー
ムストー・オフショアブーツ
ナイキ・アクアソックは
アッパーにカラフルなスパンデックス製ストレッチ・メッシュを、
ソックライナーには非吸収性の素材を採用。
トラクションのための小突起状「ミニ・ワッフル」は
流行のライト・エア・セーリング、ウィンド・サーフィンに最適です。
アッパーの素材「スパンデックス」とは
ストレッチ素材に使われる代表的な繊維がポリウレタン弾性繊維(スパンデックス)です。
非常に伸縮性に優れ、他の繊維と組み合わせ少量使うだけで身体の動きに合わせて伸び縮みする生地を作ることが可能になります。
快適な着心地を求める声が増えるとともに展開アイテムも広がており、アウターやインナー、スポーツウェア、水着、メディカルや生活雑貨など様々な場面で使われています。
よくわかる化学せんい:日本化学繊維協会
鮮やかなカラーバリエーションが登場
1988年のナイキ広告から。
![]()
そして、あなたは
全色揃えたくなる
でしょう。
ナイキ・アクアソックから、
多彩なカラーバリエーションがずらり登場です。
このシューズ
いままでの靴のように
着用するところまでは同じです。
しかし、ひとつ例外があります。
水に入る前に
靴は脱がない。
靴を履いたままでいる。
というところ。
最初はちょっと奇妙な感じがするでしょう。
しかし、その機能性の高さに気づいたなら
違和感は無くなることでしょう。
1988年、レディース向けににカラフルなネオンカラーをリリース。
さらに水陸両用の機能性を、水に入る前に洋服は脱ぐがアクアソックは脱がなくてOKという「裸アクアソック」の図でアピールしています。

via. Nike
白黒の写真に足元だけ着色することで、鮮やかさを際立たせています。

Nike Aqua Sock (1988) via. Nike
鮮やかなネオンカラーが話題に
1988年のボート雑誌から。
「ボーティング・マガジン」1988年8月号から。マリンシューズの新製品としてナイキ・アクアソックを紹介しています。
![]()
スポーツ・ソックス
ナイキ・アクアソックはスポーツ愛好家のために作られた軽量シューズです。
速乾スパンデックス製のストレッチ・メッシュと、
優れたトラクションを提供するワッフル・アウトソールからできています。
アクアソックは全てのウォーター・スポーツのための理想的なフットウェア。
人目を引くこのナイキ・シューズは鮮やかな7色展開。
アクア、シトラス・イエロー、ホット・ピックアップ、蛍光ライムなどです。
北米発、ヨット/モーターボートをフィーチャーしたウォータースポーツ専門誌
「ボーティング・マガジン」1988年8月号から。
今月のNew Gear(新製品)としてナイキ・アクアソックを取り上げています。
1988年のナイキの広告から。
アメリカで発行されたマリンスポーツ雑誌「ウォータースキー・マガジン」1988年11月号に掲載されたナイキ・アクアソックの広告。
![]()
製品向上のために無茶しました。
改良型ナイキ・アクアソックは爪先を強化。
ソックライナーを縫い込み、
さらに襟部は2本針による縫製を施しました。
あなたのご想像通り水中での着用が可能です。
キャッチコピー
We went off The deep end.(私たちは無茶しました)
は「あえて深い方に潜ってみました」から転じた言葉で
「マリンシューズだけに」というおしゃれな表現。
仕様変更の際、あえて難しい工程を選び品質を向上しました、と
新型アクアソックの品質の高さをアピールしています。
1989年のリゾート系雑誌から。
「アイランズ・マガジン」1989年7月号より。ビーチ系のおすすめ最新アイテムとしてアクアソックをピックアップしています。
![]()
新しいことを始めよう!
究極のウォーター・スポーツ・フットウェア
「ナイキ・アクアソック」をお試し下さい(全9色)。
ウィンドサーフィン、カヤック、ビーチを散歩などに理想的。
ずぶ濡れに成ることを想定して作られています。
世界中の島の暮らしやアイランド・リゾートに関する情報誌
「アイランズ・マガジン」1989年7月号より。
キャッチコピーは
海仕様のスポーツシューズにかけて
Get your feet wet!
と謳っています。
「足を濡らすだけでもいいから、海に入ってみたら?」
から転じて「新しいことを始めよう!」の意味ですが
「新製品のアクアソックを試してみよう!」
「アクアソックを買って、この夏マリンスポーツに挑戦してみよう」
的なニュアンスで提案しています。
「アクアソックは履きっぱなしOK」ベルクロモデル/長靴タイプ登場。
1989年雑誌広告として掲載されたナイキの広告から。
![]()
ご存知ですか。
うわさによると男性は靴下(ソックス)を履いたままということです。
びしょ濡れなのが好きなんだそうです。
サーフィンをして
深く潜って
砂まみれになって
男には男として履かなきゃならないときがあるのです。
そして、まもなく女性もそうなります
新しいナイキ・アクアソック、アクアソック・ツー、アクアブーツ。
陸で海で
アクアソックは波を起こします。
アックアソックの話です。
もちろん「男たるもの同じ靴下を1週間は履き続けるぜ」
ということではありません(キャッチコピーで釣っていますが)。
一度履いてしまえば水陸両用。
複数のシューズに履き替える必要がないことを強調しています。
さらに決めの言葉
「男には男として履かなきゃならないときがあるのです」
(a man’s gotta wear what a man’s gotta wear.)
は、
「男には男としてやるべきことを
やらなきゃならない時がある」
(a man’s gotta do what a man’s gotta do)
のパロディー。
男臭い(少々ベタな)決めゼリフで
往年の映画スター、ジョン・ウェインの名言としても知られています。
ポスターもジョン・ウェインの様にマッチョで男臭さマックス。
古い映画の様にセピアカラーで演出。
this is how to make waves.
アクアソックは波を起こします(アクアソックだけに)
と、ここでもおしゃれな言葉で締めくくっています。
この広告ではスリップオンタイプのアクアソックに加え
派生モデルが2タイプ登場。
ベルクロ・ストラップ仕様のセカンドモデル「アクアソック・ツー」
さらにストラップ + ジップアップ長靴タイプの「アクアブーツ」です。
「ハワイ旅行のおともに」1990年の広告から。
北米のマリンスポーツ雑誌「サーファー・マガジン」1990年Vol.31に掲載されたナイキ・アクアソックの広告から。
![]()
ハワイアンシャツをあなたの足に。
あなたはマウイ島でハングテン(サーフィン)しているか、
もしくは暖かいジャグジーに入っているのでしょう。
すばらしい。
そんなあなたに必要となることが
いくつかでてくるでしょう。
滑らないように、踏ん張りがきくように
ソリッドなラバー製アウトソールが必要となるでしょう。
そして通気性のために
スパンデックス製のアッパーが必要となるでしょう。
熱帯魚のような奇抜なカラーリングを
必要とするにちがいありません。
要するに
あなたはナイキ・アクアソックを必要とするでしょう。
思い出してください。
びしょびしょになった時に
ハワイでびしょびしょになった時に。
「ハングテン」とはロングボード・サーフィンでの技のひとつで、
足の10本の指(Ten)をサーフボードの先端にかける(Hang)ライディングのこと。
アクアソックをサーフシューズとしてはもちろん、
スパや露天風呂などでのバスシューズとして提案しています。
ベルクロストラップ仕様の新作「Aqua Sock Too」に加え、
マーブル模様を配した新色を「熱帯魚カラー」とフィーチャーしています。
イジー・パスコヴィッツとアクアソック
1990年雑誌広告として見開きで掲載されたナイキの広告から。
![]()
ナイキ・アクアソックが技術的にどう優れているのか。
イスラエル・パスコヴィッツの
サーフィンのキャリアにとって
アクアソックがどれだけの助けになったのか。
じっくりと考えて見ると…
分かりますよね?
当時のサーフ・チャンピオン、
イスラエル”イジー”パスコヴィッツをフィーチャー。
アクアソックがプロ仕様の高性能マリンシューズであることを
アピールしています。
イスラエル・パスコヴィッツはアメリカ出身のプロサーファー。
キャンピングカーでアメリカを放浪したサーフィン一家
(映画「サーフワイズ」でも話題となった)
パスコヴィッツ家9人兄弟(女1人男8人)の3番目の子どもとして生まれ
プロ転向後
オーストラリア・マンリービーチでかつて開催された国際大会「コーク・クラシック」や
南カリフォルニア、トレッスルズ・ビーチでのローカルイベントなどでチャンピオンとなりました。
ナイキのアクア・ギアとスポンサード契約を結び
1990年前後にはナイキ・アパレルの広告に登場しています。
![]()
Nike Apparel
The Aqua Gear Collection Spring ’90 (1990)
ナイキアパレル、アクアギア1990年春コレクションの広告。
全身アクアギアに身を包んだトップサーファー、
イスラエル・パスコヴィッツ(中央)をフィーチャーしています。
![]()
Nike Aqua Sock
「1990s ACG」なカラーリング登場
北米大手スポーツショップ「イーストベイ」1999年のカタログに掲載されたアクアソック。
Nike Aqua Sock (1999)
via. eastbay
新色「スティーリング/マリーナ」「ブルー/シルバー」「オレンジ/チャコールグレー」が登場。当時ナイキがフィーチャーしていたACG系の配色を取り入れています。
ナイキアクアソック
トラクションと安全性を提供。ウォータースポーツを楽しむ皆さまをサポートします。
アッパーは4方向ストレッチ・メッシュ製。履き口周りはネオプレン製。上部までラッピングされたラバーアウトソールが特徴です。
アクアソック 4
ACGカテゴリーより1990年代後半頃に海外限定リリースされた4作目。ベーシックなカラーリングにスウッシュとACGロゴがアクセントに。アウトソールはワッフルソールから波形ソールにアレンジが加えられています。
![]()
![]()
![]()
Nike Aqua Sock IV
via. www.steptorun.com
![]()
![]()
Nike Aqua Sock IV
via. amazon
復刻モデル
![]()
Nike Aqua Sock Classic
via. mischief
2009年アウトドアカテゴリーACGからリリースされた復刻モデル。
シンプルな初期スリッポンタイプを再現しています。
via. www.nike.com
- Amazonで探す
- ナイキ・アクアソック(Nike Aqua Sock)
- 取り扱い店を探す
- 楽天市場
Yahooショッピング
スニーカー・ストアガイド
Amazon KICKS(アマゾンキックス)ナイキ iD(NIKE iD)
ミスチーフ(mischief)
スニーカーショップ スキット(skit)