ナイキ・エアテラは1991年に登場したランニングシューズ。
長距離走向けのシューズカテゴリー「テラ」シリーズから、エア搭載の軽量トレイル・ランニングシューズとしてリリース。
その個性的で鮮やかな配色から「色見本」としてもサンプリングされる名作モデルです。
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トレイルランニングシューズの名作モデル 「ナイキ・エアテラ ACG」
ニューヨーク発のカルチャーメディア「ハイスノビエティ」に掲載された「ナイキACG、歴代トップ25」という企画記事から。
トレイルランニングシューズ「エアテラ」は名作モデルのひとつとして選出されています。
The 25 Best Nike ACG Models of All Time : highsnobiety.com
ACGのベスト25モデルを選出したのは、ゲイリーワーネット氏。
ロンドン発のスニーカー・プロジェクトとして2000年代のスニーカー界を牽引した「クルックド・タンズ」の元スタッフで、現在はスニーカーの歴史に詳しい著名ライターとして「コンプレックス・マガジン」などで執筆を行っています。
オールドACGマニアにはカルトな人気を誇る「エアテラ」の機能性の高さや、鮮やかなカラーリングについて熱く解説しています。
ナイキ・エアテラ ACG
長距離用の軽量ランニング・カテゴリーである「テラ」シリーズが登場したのは1980年頃。
「エアテラ ACG」は、ゴシック・フランボワイヤン様式を連想させる、鮮やかな色彩と、荒々しいルックスが特徴のトレイルランナーです。
- ライクラ素材を使用したマチ付きタン
- 靴ひもカバー
- 「TVノイズ」の様な斑点模様を施したミッドソール
- 泥よけ「ディフレクター・シールド」
- ファイロン素材のヒールカウンター
- 「マルチディレクション・タイヤ」タイプのアウトソール
など、デザインの骨組みはトリップ・アレン氏によって設計されました。
機能美に満ちた「エアテラ」ですが最も人気のあるバージョンは、配色が「パープル、ピンク、オレンジ」のモデルでした。
2007年、忠実な復刻ではありませんが、アレンジを加えた「エアテラ ACG ロングボール」をリリース。
オリジナル「エアテラ」の再評価へとつながりました。
関連記事:ゲイリー・ワーネットが選ぶ「ACG」名作スニーカー 25選!
オリジナル・エアテラ
スイス・チューリッヒのスニーカー・コレクター、Claude Renardさんのコレクションより。
1991年リリース「ナイキ・エアテラ」のファーストカラー。
パープル・アッパー、ピンクのスウッシュ、オレンジのACGロゴが鮮やか貴重な箱有りモデル。
観賞用としてではなく、着用愛用されている様です。
こちらも同時期リリースのカラーバリエーションモデル。
オリーブグリーン/パープル/ライト・ブルー
アップデートモデルを含む、エアテラ愛に溢れたコレクション。
「野性の呼び声 ’91」
1991年、ランナーズワールドなどのスポーツ雑誌に掲載された「ナイキ・エア」の広告から。
トレイルランニングシューズの新製品として「エアテラ」を紹介しています。
見開き2ページを使い、一面に鮮やかな「エアテラ」の写真を掲載。
いかにプロモーションに力を入れていたかがよくわかります。
広告のキャッチコピーは、”Call of really really wild”。
ゴールドラッシュ時代を舞台とした古典小説
「野性の呼び声」(The Call of the Wild)のもじりで、
「シン・野性の呼び声」的なアメリカンジョーク。
過酷な旅をたくましく生き抜き、後にネイティブアメリカンからも恐れられ伝説の存在となる、犬のバックのキャラクターを重ね、「エアテラ」の個性を演出しています。
広告の製品解説から。
正真の野性の目覚め
今回ご紹介するのは、ナイキのトレイル・ランニング・シューズ「エアテラ」です。
どうです。
洗練されているでしょう。傾斜の付いたアウトソールは、マウンテンバイクのタイヤのようになっていて、あなたを、岩の上や木登りに連れて行ってくれます。
さらなるクッション性を実現するために、踵部分には、ナイキ「エア」システムを搭載。
前足部分にはディフレクター・シールドを装備。熊や鹿から身を守ります
まずは何も言わずに。「ナイキ・エアテラ」を試してみてください。
「エアテラ」は山を越え、森を抜ける。
同年1991年、アウトドア雑誌に掲載された、ナイキACGの広告から。
こちらは「エアテラ」を着用し山道を猛ダッシュ、
トレイル・ランニングの連続写真をフィーチャーしています。
山を越え、森を抜け、あなたは誰のものでもない場所へと行く
Over the mountains and through the woods to nobody’s house you go.
どこかふわっと哲学的なキャッチフレーズは、アメリカの作家リディア・マリア・チャイルドが、1844年に発表した子供向けの詩「川を渡り、森を抜け」へのオマージュ。
元の詩はこちら
川を渡り、森を抜け、わたしたちはおじいちゃんの家へ行く
Over the river, and through the wood, To grandfather’s house we go
感謝祭を祝うためにおじいちゃんとおばあちゃんの家へ、雪の中を馬そりで急ぐワクワク感を詠った詩。
ナイキの広告はこの詩をアレンジし「ACGを着用して一番乗りに野山を制覇しよう」と、スピード感のある新しいアウトドアのスタイルを提案しています。
掲載アイテム:「スノーパッチ・スパイア・プルオーバー」「ローグショーツ」「エアテラACGシューズ」
Shown: Snowpatch Spire Pullover. Rogue Short. Air Terra ACG shoe.
環境に優しいアレンジで蘇った、 初の復刻モデル
2007年リリースのナイキ・アウトドアの限定ラインから。
「エアテラ ACG」からサンプリングした、カラーリングやディテールを、エコ仕様のサンダルに落とし込んだ、変則的な復刻モデルが登場。
デザインのベースとなったのは「ナイキ・ロング・ボール・レース」。
こちらも同年2007年リリースされたモデルで、接着剤や化学薬品を一切使わず、生分解性が100%。環境に配慮した製法で作られたエコシューズ。
この「ロング・ボール・レース」のコンセプトをベースに、1990年代の「エアテラ ACG」のディテールをコピーペーストしたのが「ナイキ・テラ CI」です。
(現在はソールドアウトですが)スニーカー・オンラインショップ「sneakerhead.com」の当時の製品説明より。
ナイキ・テラ Cl
地球にやさしいスニーカーで、旅に出たり、アウトドアを楽しんでもらいたい。
ナイキがそう考えるのは自然な流れです。
鮮やかで大胆。「テラ Cl」モデルは「ナイキ・コンシダード」のガイドラインに基づいて制作されました。
「コンシダード」は地球に優しい素材を使用。廃棄物や有害物質の削減に取り組んでいます。
アッパー素材には「床スエード」を、そして再生材料を利用したメッシュを採用。ファイロン製の軽量ミッドソールを搭載。
さらに、ナイキの「スナップフィット構造」は、有害な化学物質を使わずに、ソールとアッパーを結び付けています。
「オリジナルの再現」ということでは完全版ではありませんが、初の「復刻」ということで国内でも話題に。
エアテラ・カラーの「ルナエア180」
ヨーロッパ発のオンライン・スニーカーマーケットK’lentでビンテージ・アイテムを販売する「MATOWY」さん(ポーランド・ワルシャワ在住)のコレクションより。
こちらは、エアテラACGの配色を「ナイキ・ルナ・エア 180」のアッパーに落とし込んだ限定モデル(2010年リリース)。
https://www.klekt.in/user/profile/Matowy
「ナイキ・ルナ・エア 180」は、エアマックス180のデザインをベースに、アッパー表面をフラットにアレンジ。超軽量ルナミッドソールをプラスしたアップデートモデル。
鮮やかなエアテラACGの配色「パープル/ピンク/オレンジ」。さらにミッドソールのスペックルド(斑点模様)を落とし込んだこのモデルは、イギリスの人気スニーカーセレクトショップ「Size?」創業10周年を記念して、250足のみ限定発売された別注カラーです。
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