アディダスのスポーツウェアの豊かな歴史と、ストリートウェアカルチャーへの影響力からインスピレーションを受け、登場から今年で4年目を迎える「adidas SPEZIAL」
アディダスが誇るアイコニックなフットウェアの数々が「adidasSPEZIAL」によって再解釈・再生されることで上質かつ忠実な復刻を遂げる。
ヘリテージにインスパイアされつつ、大胆に進化を遂げたadidas SPEZIAL。
「ヘリテージ」?「アイコニック」?
なかなか抽象的でリリース記事を読むと、かえって謎が深まる「アディダス・スペツィアル」。
しかし、その難問にスペツィアル・ブランドの創設者でクリエイティブ・ディレクターをつとめるゲイリー・アスプデン氏が、スニーカーメディア [Classic Kicks] のインタビューで分かりやすく答えています。
What is the Spezial Collection? : Gary Aspden Interview /Classic Kicks
アディダス・スペツィアル 新作・新色コレクション(amazon)
スペツィアルはレジャーウェア
スニーカーメディア [Classic Kicks] ゲイリー・アスプデン氏へのインタビューより。聞き手はメディアを運営するニック・サントラ氏。
What is the Spezial Collection? : Gary Aspden Interview /Classic Kicks
「スペツィアル・コレクション」とは何ですか?
私たちが常に明確にしてきたことは、スペツィアルはレジャーウェアである、ということです。
スペツィアルをスポーツウェアと呼ぶことは、アディダスにとってはマイナスであると。イノベーションチームで技術開発を行う、生産エンジニアたちにとっては大きな損害であると感じたからです。
アディダスのイノベーションチーム「AIT」は、創業者アディ・ダスラー氏が持っていた当初のビジョンを未来へとつなぐ場所。
スポーツ性能がアディダス・ブランドの魂であり、これからもずっと、常にそうなり続けていくことを私は願っています。
アディダス・スペツィアルによるフットウェア、その製作するうえで心がけていることは、正しい仕様に沿って製作されていること。そして本物が持つ外観や印象により近づけること。そこに焦点を当てています。
(これらの製品の多くは、最初にリリースされた時点で、スポーツアイテムとしては最先端であったにもかかわらず)
現在、本格的なアスリート達やスポーツをする人達が「当初の目的で使用する人はいない」ということは分かっています。
しかし、スペツィアルのアパレルでのアプローチは少し違います。
アパレルはモダンに。フットウェアはクラシックに。
アパレル部門は、古典的なアディダス・ウェアの改訂版。贅沢な素材やハイテクな繊維を使用して、モダンな雰囲気、外観に再加工しています。
キーワードは「モダン」。アパレルを懐古的なシリーズで展開したいと思ったことはありません。
若い頃、私はアディダスの「ファースト」「コロラド」を着ていましたが、今はそういったウェアは着ていません。
参照:アディダスの「ファースト」
参照:「コロラド」
一方、シューズに関しては、当時のスタイルのものを幾つか履いています。
なぜかと言うとアディダスのシューズは、その多くがブローグやデザートブーツと同じように、流行り廃りのないクラシックなデザインであるからです。
という前提の下に、(アパレルとシューズに対しては)異なるアプローチが必要でした。
非常にわかりやすい例を挙げましょう。
2015年春夏コレクションにリリースの「ST9 レインジャケット」です。
「ST9」は、1980年代初期から流通していたレインジャケット「ST1」を見本にしたものです。しかし、リリースにあたり素材を最高品質のクライマストームに変更しています。
参照:クライマストーム:アディダスが開発したハイテク繊維。雨や風をガードし、優れた透湿性で快適さを実現しています。
参照:1980年代のレインジャケット
元になった「ST1」は正真正銘、アディダスのクラシック・モデルです。
しかし繊維技術の進歩によって、象徴的な作品である「ST1」は歴史のかなたへと消えていっていまいました。
過去の優れたデザインを取り入れ、それらを現在の優れた技術とミックスする。これがウェアに対する私たちのアプローチです。
しかし、フットウェアに関してはアパレルと同じように対処すべきではないと考えています。
私は、アディダスのフットウェアのスタイルの多くは時代を超越していると信じています。
それらのデザインが、妥協することなく正確に表現されているならば、ノスタルジーに頼ることなく、新たな「観客」の共感を呼ぶ可能性を秘めていると、私は信じています。
膨大なデザインの歴史的なアーカイブや、ブランドのアイデンティティ(理念)を持つアディダス。
これらの要素は常にスペツィアルの出発点となっています。
関連記事:[adidas Spezial]:アディダスのDNAと21世紀の製品
参照:アディダス・スペツィアルのフットウェア [2014 – 2015]
関連記事:アディダス・スペツィアル(adidas Spezial)
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