アディダス「Spezial」チームの中心人物、ゲイリー・アスプデン氏のインスタグラムより。
なかなかの長文に圧倒されますが、彼が手掛けた2018年春夏モデル、アディダス・グレンバック SPZL(スペツィアル)についての、リリース1週間前のインスタです。
その熱い思いと、その製作過程の裏側が詳しく書かれています。
「棚」を初めて再現した、復刻ウェブ・シューズ
グレンバック SPZLについての詳細。
このシューズを作る過程で私たちは、ミッドソールに「デリンジャー・ウェブ」を搭載したシューズを、いくつも見てきました。
そして、その中でもヒール部分に沿って「棚状の出っ張り」があるモデルが、けっこうあることに気づきました。
今までの「ウェブ」搭載モデルの復刻において、この「棚」が再現されたことはありません。
参照:「デリンジャー・ウェブ」と「棚」の例
下の写真は1980年にリリースされた「アディダス・ニューヨーク」。ソールのあみあみの部分が「デリンジャー・ウェブ」(考案者で、当時オレゴン大学でクロスカントリーのコーチを努めたビル・デリンジャー氏の名前から)。蜘蛛の巣(Web)状のナイロンが、走行中に着地の衝撃を分散するというもの。
シューズのバランスに比べてミッドソールが若干大き目で、ヒール側が少しはみ出しているのが分かるでしょうか。この出っ張りをここでは「棚」(ledge)と呼んでいます。
この「棚」が「グループ化」と呼ばれる製造プロセスによってできたことを発見しました。
ライセンスの取得者は、いくつかの異なるアッパーのサイズに対して1つの金型を使用することで、金型生産にかかるコストを削減しようとしました。
このプロセスによって、ミッドソールの後ろに段差が時々登場しました。
効率化のため、例えば25cmの靴と27cmの靴に同じソールを使用した、ということです。
私たちはこのディテールを再現したいと思いました。
より本物らしさが増すようにです。開発スタッフと工場の間での興味深いミーティングの結果、「棚」の再現を成功させるために、アッパーよりもハーフサイズの大きめのミッドソールを採用する必要がある、という結論に。
本当にリリースできたことが嬉しいと思っています。
ほとんどの人がこの種のディテールについて「どうでもいい」ことを知っています。
しかし、そういった人にも満足していただくことが重要だと感じています。
また、コメントでは「APSの配色を引用している」といったものを2、3見たことがあります。
(APSはベースカラーがホワイトですが、こちらは異素材ミックスのライトグレーです。)個人的には考えたことはありませんが、類似性を見ることはできます。
参照:「APS」と「グレンバック」
SNSのコメント欄に引用についての指摘があったという。1980年代リリースのランニングシューズ「アディダス APS」。
たしかにアッパーのデザインは新作「グレンバック SPZL」と共通する部分はあります。
しかし、ゲイリー・アスプデン氏は、モデル名不明のランニングシューズ(an unknown OG running shoe)からのインスパイアとしています。
「グレンバック」の開発でインスピレーションを受けたモデルは、名前不明のランニングシューズ。
それをもとにアッパーのパターンを微調整し、素材にはより良いものを採用しました。
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