アディダス・トマール(adidas Tomar)は1970年代に登場した、
スエード製スポーツカジュアルシューズ。
「余暇はスポーティにドレスアップ」をコンセプトに、
アスリートブランドならではの機能性・快適性を
ドレスシューズのデザインで再構築したハイブリッドモデルです。
ネーミングは世界遺産「トマールのキリスト教修道院」で知られるポルトガルの都市から。
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「ツートンブラウン」のレジャーシューズ
アディダス・トマール(adidas Tomar)は
レジャーシューズの新製品として、1977年発行のカタログに登場。
当時アディダスが「ドレスアップ・カラー」として推していた
シックなブラウンスエードをアッパーのベースカラーに採用しています。
甲部分はU字のステッチが入った「Uチップ」タイプのフォルム。
ストライプ、ヒールパッチ、シューレース周りにはトーンの明るいレザーを採用し、
2色2層のラバーソールを使用するなど「ブラウン・ツートン」の配色で統一しています。
1977年のアディダスカタログから
1977年フランス国内向けに発行された
アディダス・スポーツカタログより。
レジャーシューズ(Chaussures de Loisirs)の
コーナーに掲載された「トマール」。
AD 156 7 トマール(新製品)
ウィスキー・ブラウンの
ベルベットレザーをアッパーに、
ストライプには明るめなブラウンを採用。踵から足の裏にかけての
アーチを型取ったフットベッドを内蔵。ソールはバルカナイズ製法によるもので、
半透明な2色の茶色を組み合わせています。AD 156 7 Tomar (Nouveauté)
La tige est en cuir velours de couleur brun whisky et les bandes sont brun plus clair. Le talon et le profil plantaire sont incorporés, et la semelle est vulcanisée bicolore marron translucide.Tomar
同カタログでは、兄弟モデルとして、
レザー・バージョンの「トピカ」を掲載。
こちらもレジャーシューズの新製品として、同時リリースされました。
スエード、配色変えた?
「トマール」はヨーロッパだけでなく
北米市場でもデビューしています。
1979年の北米向けカタログに掲載された
トマールはスエードの色が
1977年モデルと比べ、明るくなった印象を受けます。
比較用。
どちらかというと、同じカタログに掲載されている
「ハワイ」というモデルの方が、
1977年の配色に近いのでは。
ここでの「ハワイ」の説明には
「ブラウンのベロアレザー」と表記がありますが、
トマールは配色の解説はなく
「スエード・レザー」のみの表記となっています。
1979年のアディダスカタログから
1979年北米向けに発行された
アディダス・スポーツカタログより。
AD 1567)トマール
アッパーにはスエード・レザーを
ストライプのパーツにはスムース・レザーを
使い分けています。ツートン・カラーのラバーソールは、
バルカナイズ製法によって
アッパーに圧着されています。AD 1567 Tomar
Split suede leather uppers with smooth leather stripes. Two-tone rubber sole vulcanised to upper.
Tomar
さらに同時期のカタログに掲載されたトマールは
(資料の印刷状態、保存状態にもよりますが)
かなり黄色みがかっています。
オリジナル「トマール」「トピカ」
ebayでビンテージ・アイテムを販売する「deadstock_utopia」さんのコレクションより「トマール」と兄弟モデル「トピカ」。写真下、スエードモデルが「トマール」です。
Topeka, Tomar #adidas #vintage pic.twitter.com/P7KApvSkQS
— deadstock_utopia (@DeadstockUtopia) 2016年12月3日
黄色みがかった配色とアウトソールのデザインから
1979年頃のものと推測します。
via. www.adidas.com
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