
adidas AS 350 (reissue)
via. adidas
「AS 350」は1980年に日本企画で国内向けにリリースされたスニーカー。ブログやSNSによってヨーロッパのスニーカーマニアの間でその存在が見つかり再評価。2016年の復刻リリース以降カルトな人気を誇る隠れた名作モデルです。
アディダス AS 350 新作・新色コレクション(amazon)
オイスター・ホールディングス別注モデル。

ADIDAS x OYSTER 350 (2018)
via. Oyster Holdings
ロサンゼルスを拠点とする、オイスター・ホールディングス(Oyster Holdings)は「旅行者のためのラグジュアリーなユニフォーム」というコンセプトのものに、快適で贅沢なスウェット・ウエアを展開。
その「オイスター」から、アディダス・AS350をベースに、2018年春夏コレクションとしてリリースされた別注モデルです。

ADIDAS x OYSTER 350 (ASH PEARL)
via. Oyster Holdings
穏やかなパステルカラーのアッパーは上質なヌバックレザーを採用。半透明のガムソールはコントラストを柔らかに。
縁取りテキスタイルを使った3ストライプが80sテイストを演出しています。

via. Oyster Holdings

via. Oyster Holdings
アッシュなパールカラーと、おちついたスカーレット・レッドの2色展開。ゴールドのプリントがオリジナルを踏襲しています。

ADIDAS x OYSTER 350 (TRACE SCARLET)
via. Oyster Holdings

via. Oyster Holdings

via. Oyster Holdings
日本企画で生まれたスニーカー「ASシリーズ」。
1980年発売当時日本向けに発行されたカタログから。

adidas AS-350 (1980)
via. descente
AS 350は1980年に日本で企画されたトレーニングシューズ。
当時国内でアディダスのウエアを販売していた「デサント」が海外の工場に特別注文。「輸入品」として発売していました。
ビンテージスニーカーのコレクターであり、アディダス研究家のニール・セルヴィ氏によると、「AS 350」は複数のモデルを合体したハイブリッドタイプのスニーカー。しかし、その全貌はまだ分かっていない。と語っています。
adidas AS Series – By Neil Selvey
アディダスの「ASシリーズ」は、日本市場を視野に入れ、1980年頃に生産されました。
それぞれ異なるモデルが異なる国で生産され、その型に合わせて番号が付けられました。どのモデルも、すでに既存のデザインに基づいており、
間違いなく見覚えがあるでしょう。実際には日本向けに販売されたシューズですが、
モデルのいくつかはヨーロッパでもリリースされました。
とはいえ、正確なことは分からず、大まかな情報しかありません。このシリーズは今日では非常に価値があります。
見つけるのは非常にレアなことです。私が知る限りこれらがすべてのモデルですが、おそらくいくつかは、まだ未発見のままです。
疑問に思っている方もいるかもしれないので、付け加えておきますが、
ASは単なるAdidasの略語です。
AS 350はヨーロッパには全く同じものは存在しませんが、穴の開いたトウボックスを除けば、同じ形状とソールの「オリンピア」が最も近いモデルです。

adidas Olympia (1971)
アッパーの甲部分のデザインを除くと「アディダス・オリンピア」がそっくり、とニール氏は指摘していますが、パーフォレイト(通気口)のあるアッパーは、1970年代に登場した「ミュンヘン・スーパー」とそっくりです。

adidas München Super (1974)
「当時、日本の販売代理店は、日本人の嗜好に合わせてアッパーを別の素材に変えて、別のモデルのソールに合体。ヨーロッパには無いモデルを販売した」ニール氏は別のインタビューで、この背景について詳しく語っています。
adidas Originals Archive News: A Conversation with Neil Selvey
当時アディダスには日本に支社はなく、日本への販売は代理店を利用していました。
1960年代後半から兼松スポーツにて販売をスタート。1980年代半ばからは、デサント(Descente)という会社から販売されました。
ヨーロッパで流通していたモデルから、よく売れるだろうと思う商品を選択するなど、販売代理店には、日本国内での販売に関して多くの権限が与えらました。
人気のあるスポーツというのは、すべて地元の人の好みに基づいています。
日本では野球が非常に盛んなので、多くの野球用スパイクを製造しました。
さらに代理店は、ヨーロッパには売っていないカラーリングなどを、特別注文することもできました。
「ASシリーズ」は、1980年に日本でリリース。
ですが実際のところは、靴のほとんどはヨーロッパで製造されました。「AS 350」はユーゴスラビアで製造され、カラーバリエーションは3種類でした。

adidas AS-350 (1980)
via. descente
補足すると、1980年当時、シューズの代理店は「兼松スポーツ」でしたが、この「ASシリーズ」はウエアを専門としていた「デサント」が企画販売を手掛けました。
1977年まで日本ではアディダス製品を製造していませんでしたが、
それでも他の国から多くのシューズを輸入していました。日本でのアディダスの生産は、ヨーロッパの既存のデザインをテンプレートとして使用しました。
たとえば、ひとつのデザインのアッパーを別のソールユニットに貼り付ける。
アッパーの色や素材を変更し、別の名前を付ける。
こうして、風変わりで素晴らしいモデルが作られました。製造品質も優れていました。
アディダスは海外で製造された製品が、
その名に相応しいか保証するための品質管理を行っていました。日本のものは、ドイツやオーストリア製の靴と並びトップクラスに入ります。
インターネットやソーシャルメディア以前、ほとんどの欧米のコレクターは、
日本市場へのアクセスが可能になるまで、その色彩とシルエットを全く知りませんでした。しかし、オンライン・コミュニケーションの導入によって、
昔かたぎの「先手を打ちたい」心理が、これを加速します。日本のリリースは神格化され始め、
欧米のアディダスコレクターに間では、
多くのコレクションの「聖杯」となりつつあります。
オリジナル・ビンテージ、 ユーゴスラビア製。
イギリスのオールドスニーカー・コレクターGregg Howardさんのコレクションから。ホワイトxレッドバージョン。イギリスでも特にカジュアルス系サッカーファンの方々の間では「350」は定番スニーカーになりつつあります。
ビンテージ・アディダスとプーマに特化して丁寧に収集されている、インドネシア在住の超コレクターdiehardadidasfanさんのコレクションから。ユーゴスラビア製のオリジナルモデル、ホワイトxネイビー。
おなじくdiehardadidasfanさんのコレクションから。ユーゴスラビア製、ホワイトxレッド。
ちなみにdiehardadidasfanさん、ASシリーズの240と500を探し中ということです。
アディダス AS 350 新作・新色コレクション(amazon)
復刻モデル

adida 350 Spzl (2016)
via. Le-Fix
アディダスの背景にある豊かなデザインの歴史を、現代の目線でアップデートするプロジェクト「スペツィアル」から2016年春夏コレクションとしてリリースされた復刻モデル。オリジナルカラー、ホワイトxブラックが再現されました。

via. Le-Fix
デザインチームの中心人物、ゲイリー・アスプデン(Gary Aspden)氏のインタビューによると、オリジナルを非常に忠実に再現し、その違いはレザーをさらに良質なものにした。という自信作です。

via. Le-Fix
関連記事:[2016年 春夏モデル]:アディダス・スペツィアル(adidas Spezial)
「size?」別注モデル。
前出の復刻モデルが登場以降、アップデート系の復刻モデルが続々登場。
今作はイギリスの人気セレクトショップ「サイズ?(size?)」が同年2016年にリリースした別注モデルです。

adidas Originals Archive adidas 350 Suede – size? Exclusive (2016)
via. size?
空気穴のあいたトゥ周りにはスエードを、サイドとヒール側にはテクスチャー素材を使用した、ハンドボールシューズ的なアプローチがユニーク。
さらに人気のトリコロールカラーと落ち着いた質感のガムソールを配すことで、定番感を演出。コーディネート的に汎用性の高いデザインに仕上げています。

via. size?

via. size?
「サイズ?」の商品説明より。
もともとのアディダス350は、とらえどころのない「ASシリーズ」のひとつとして、1980年代初めに日本で独占販売されたモデル。
急速に拡大するアジア市場のために、ヨーロッパのシルエットを取り入れ、それを変換。
ユーゴスラビアで製造されたオリジナルの350は、
温暖なアジアの気候に最適な、穴のあいた一枚革のトゥボックスを特徴としていました。今作、アディダス「スペツィアル」シリーズの一環として再リリースされた2バージョンは、「size?」の独占販売モデル。
スエード素材をフィーチャーし、エンボス加工されたタンを採用。ゴールドロゴのプリントがブランドを主張しています。

via. size?

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