1970年代初頭、アスファルト路面でのトレーニングやジョギングのために開発されたシューズ、プーマ・バナナ(Puma Banana)。
まさに「バナナ」を連想させる配色が特徴で、アッパーには鮮やかな黄色のナイロン素材とスエードを採用。黒のフォームストライプがアクセントになっています。
「もうひとつのバナナ」として登場
1973-1974年の冬期、スキー雑誌等に掲載された広告。
プーマ・バナナのプロモーションとしては最初期のもの。
キャッチコピーの
One good banana deserves another. は
ことわざ
One good turn deserves another. のパロディー。
元の文章は日本語のことわざ「情けは人の為ならず」に相当する言葉で、
人に親切にすると自分も親切にしてもらえるから、したほうがいいよ、的な意味ですが「親切」を「バナナ」に置き換えたアメリカンジョーク。
「【朗報】バナナの名にふさわしい、もうひとつのバナナ登場。」といったニュアンスでしょう。
プーマのバナナ側からすると、
すでにベストなバナナが存在していた、ということですが、
ここでのすでにあった「価値あるバナナ」とは、イタリアのスキーブランド「ノルディカ」のスキーブーツ「アストラル・スラローム」のこと。
鮮やかなイエローから「バナナ・ブーツ」と呼ばれ、1972年の発売以来40万足の売上を記録するベストセラーモデルです。
当時アメリカ国内では「プーマ」と「ノルディカ」が同じ販売代理店「ベコンタ社」であったこともあり、こういったプロモーションを仕掛けていました。
同年すでに、ベコンタ社は同じような構図で「ノルディカ・バナナ」の広告を雑誌に掲載しています。
バナナブーツの大規模なファン層に向けてのプーマの新製品「バナナ」の広告戦略。
「バナナ」というネーミングも含め企画段階からそこを狙ったのでは、と妄想が膨らみます。
1974年のカタログより
アフリカ系アメリカ人向けビジネス誌「ブラック・エンタープライズ」1974年7月号より。
ページの概要は「旅行先でもスポーツアイテムを持っていって、テニスやジョギングを楽しみましょう」というライフ・スタイルの提案。
お薦めスポーツシューズのコーナーではプーマ・シューズをピックアップ。
ホワイト・レザーやブルー・スエード製のテニスシューズ。
赤のスエード・バスケットシューズ「クライド」に加え、鮮やかな「黄色のバナナ」が掲載されています。
「青いバナナ」登場
プーマ9190
舗装された路面のためのジョギングシューズ。「9190」はオリンピック競技レベルのアスリートや、本気なジョガーの御用達。
万能トレーニング・シューズ、ジョギング・シューズの中でも最も優れたモデルとして知られ、その人気は年々高まるばかりです。
ゆったりとした幅広のラスト。
つま先と側面全面に革素材で補強されています。
1977年のプーマカタログより
製品番号「9190」のシューズをフィーチャーしたもの。
ここでの「9190」とはプーマ・バナナのことで、
ゴールド・イエローのカラーから9190Gと記載されています。
さらに配色違いの兄弟モデル、
ブルー/イエローの製品番号9190Bが登場。
「水星」の意味の「マーキュリー」とネーミングされています。
Puma SF77
2013年、プーマは1970年代のランニングシューズをベースにしたレトロ・ライン「SF77」をリリース。
なかでもイエロー・バージョンは「バナナ」のカラーリングを再現しています。
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