加硫釜(Vulcanizing Oven)
「バンズ ブック バース オブ アイコンズ」(VANS BOOK BIRTH OF ICONS)トレーラーより。
image from vans.com
バルカナイズ製法(Vulcanized)
バルカナイズ(ヴァルカナイズ)とは「加硫」と呼ばれる化学プロセスで、ゴム製品の製造過程で「硫黄」などの化学物質を加える事。
冬は硬化し夏は柔らかくなってしまうことから、そのままでは利用用途が低い「天然ゴム」に、硫黄など「加硫剤」を配合し温度を加える事で化学反応がおき、ゴムの分子は網目構造になり、弾性が安定、温度などの耐久性が改善されます。
また一般的なスニーカー製造においての「バルカナイズ製法(バルカナイズド製法)」とは、ソール部分とアッパー部分を「加硫」「加熱加圧」によって一体化させる技術のことで、熱処理する前の加硫ゴムをパーツの状態でセッティングし、加熱することで素材同士をダイレクトに(直接)圧着・一体化することから「ダイレクト・バルカナイズ製法」とも呼ばれます。
素材同士をダイレクトに圧着するため、接着剤を使用した製法よりも屈曲性に強くソールが剥がれにくい、また経年劣化に強いという特徴があります。
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バルカナイズ製法のスニーカーができるまで
バンズ(VANS)のシューズがアメリカで製造されていた頃の映像です。
「バンズ ブック(VANS BOOK)」トレーラーより。 image from vans.com
ソール(靴底)の原料になるラバーを大きなローラーで練り板状にまとめています。
ワッフルソールの金型にソールのもと(ラバー)を並べます。
専用のオーブンへ。
ワッフルソールのできあがりです。
キャンバスアッパーの制作工程です。
シューホールにアイレット(ハトメ)を装着。
ラスト(靴型)に入れシューズの形を整えます。
シューズの底に液体をつけ
アッパーとソールを固定します。
サイドテープをはり、ヒールパッチをつけ
サイドテープの余分な部分を切り取ります。
加硫釜の中で加熱加圧。
ラバーと硫黄が化学反応を起こし安定強化。アッパーとソールが一体化します。
image from apeandapple.com
バンズ エラ(VANS ERA)の完成です。