ロミカ(Romika)ブランド・ヒストリー

Romika french magazine print ad 1979

ロミカをお試し下さい。
足に優しいフットウェア

ロミカ、フランス向けの雑誌広告(1979年)

ロミカ(Romika)は1921年ドイツで誕生したシューズブランド。

東ヨーロッパを生産拠点に、ブランドのスローガンである「ヨーロッパのコンフォート・シューズ」を追求しています。

現在は老舗靴メーカー「ヨセフ・サイベル」の傘下に位置し
クラフトマンシップ溢れる上質なシューズが魅力。

そんなドイツの国民的な老舗ブランドの歴史を、当時の資料を参考に振り返ります。

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ロミカの歴史

Romika shoes catalog

Romika shoes catalog (Germany, c.1933-1935) via. shoe-icons.com

ロミカ

“ロミカ”
シューズ・ファクトリー株式会社

グステラート
クライス トリーア市

営業所:ケルン市 ニップス

本社
ロールマン & マイヤー株式会社
ケルン市 ニップス

およそ1933年から1935年頃に発行された
ドイツの老舗靴ブランド
ロミカ(Romika)のシューズカタログです。

ロミカの創業は1921年
(1921年12月29日に会社設立、翌年から靴の製造をスタート。)

ブランドの「ROMIKA」という名前は
3人の創業者の名前をミックスした造語で

カタログを通して(ドイツを含む)近隣の国へ
「ロミカ = 靴のブランド」であることをアピール。
プロモーションを仕掛けています。
(ドイツ語、英語、フランス語、スペイン語の4カ国語で書かれています)

当時の本社はドイツ・ケルン市の「ロールマン & マイヤー株式会社」

老舗の靴工場「ロールマン & マイヤー」の跡継ぎであったハンス・ロールマン氏が
実家の会社を拠点としてスタートしたブランドがロミカです。

Schuhfabrik Rollmann und Mayer, Köln

靴工場ロールマン & マイヤー、ケルン
撮影 1885年-1920年頃 via. bildindex

Romika

創業当時のロミカ
撮影 1926年 via. Filsak & Füllsack

ユダヤ人靴職人によって設立されたドイツのブランド。

The history of ROMIKAより。

1921 – 1935

1921年12月29日
ロミカ社とブランド「ROMIKA」は
ドイツ・トリーアの近くグスターアト地域で創業。

3つの創設者
Hans Rollmann
Carl Michael
Karl Kaufmann

それぞれの名字の頭文字2文字からブランド名を「RO MI KA」と決定しました。

Hans Rollmann

Hans Rollmann

1922年 靴の製造を開始。
1935年 ナチス・ドイツの恐怖の圧力によって会社は1935年に崩壊しました。

ユダヤ人の創設者ロールマンとカウフマンは
早急にドイツを去らねばなりませんでした。
工場の所有権は銀行に渡りました

ヒトラーがドイツ国首相に任命されたのが1933年
ドイツはナチスの時代へと突入します。

ユダヤ人靴職人の息子として生まれた創設者ハンス・ロールマン氏と
彼のパートナー、カール・カウフマン氏もユダヤ人。

ナチスの圧力(wikiには物理的な攻撃と書かれています)によって会社は倒産し
カウフマン氏は家族とイスラエルへ逃亡し、ロールマン一家はベルギーへと移住しています。

1933年〜1935年頃のロミカ・シューズ・カタログから。
創設者ハンス・ロールマン氏らが手掛けた最初期ロミカ。

Romika shoes catalog

Romika shoes catalog

Romika shoes catalog

Romika shoes catalog

Romika shoes catalog (Germany, c.1933-1935)

第二次世界大戦下のドイツで「新生ロミカ」スタート。

1936 – 1940

「ROMIKA」の商標がヘルムート・レム氏に譲渡されたのが1936年。
同年の3月24日彼は新しいロミカ社を設立しました。

50人による生産から開始した新生ロミカ社は
6ヶ月後に従業員545人の会社にまで成長しました。

Helmut Lemm

Helmut Lemm

1940 – 1950

社員が1000人になった頃
工場は(戦争の)爆破によって破壊されました。

戦争終了後には、わずか50人の社員と共に再開。

当初は靴のソールの製造だけでなく
自転車のインナーチューブや
ホットウォーター・ボトル(ゴム製の湯たんぽ)
の製造を行ないました。

その後ラバーブーツの生産を再開。
この時期、加熱プレスによる製造を行なっている会社は
「ロミカ」が最初でした。

ロミカ1950年の広告から。

Romika print ad 1950

そのとおり!
ディーラーは助言します。

プロは適切な靴を身につけている必要があります。

ロミカの「ヴァレンシュタイン」はスタッズ仕様のシューズ。

たくさんの優れた部分と
リーズナブルな価格に付いて
あなたは驚かれることでしょう。

ラバーブーツ「ヴァレンシュタイン」のプロモーションです。

アウトソールには滑り止めのゴム製スタッズが搭載していること、
さらに低価格であることをアピールしています。

経済復興の波に乗り事業拡大

1950 – 1960

1950年代にはドイツ経済に好景気が到来。
当時のドイツにはロミカのような企業は不可欠でした。

ますます改善された製品は市場に乗り出し
「ドイツ・メイド」は品質の高さ
と同じ意味を表すようになりました。

ロミカの工場はファッショナブルな靴の需要と共に成長。
1950年代が終わる頃には従業員2600人の企業に拡大していました。

Romika Gelände Gusterath

ロミカ 当時のドイツ・グステラート本社

ロミカ1954年の広告から。
テニスシューズのプロモーションです。

Romika print ad 1954

ロミカ・スーパー・テニサナ

爪先から踵まで整形外科仕様のインレー・ソール。
通気性のためにトップ・パートにはリネン素材を採用。
アウトソールのエッジ部分は丸みを帯びています。
すべらないソールを採用。

1960 – 1970

1960年代はさらに広い範囲に、
事業分野の拡大を目指した10年でした。

ロミカは可能な限り
革新的な生産技術を導入していきました。

新しい工場をラインスフェルト、ビットブルク、アウクスブルク、そしてスペインのレウスにオープン。

テニスやバスケットボール、フットボール、ハイキング、そして登山のための
スポーツシューズを新規開発していきました。

そして製品の仕上げ、管理と輸送はトリーアの新しいオフィルビルで行なわれました。

Romika Gelände Gusterath

ロミカ 当時のドイツ・グステラート本社

ロミカ1969年の広告から。
写真の男性はロミカのボートシューズを履かなかったために
海に落ちてしまいました。
という逆説的なプロモーション。

Romika print ad 1969

彼は船から投げ出された訳ではありません。
彼は滑ってしまったのです。

ロミカのボート・シューズを履いていれば
こんなことは起こりません。

滑り止め仕様。しなやかで柔らかく、耐久性に優れています。
ファッショナブルでシック。

そしてデッキを傷つけません。

くつろぎの時間
ロミカのボートシューズは
スポーツの楽しさをサポートしています。

「レジャー」+「スポーツ」の時代

1970 – 1980

70年代に入り
余暇やリゾート地での「遊び」が多様化。

ウィンドサーフィンやジョギングのような新しいスポーツが登場、
フットウェアの分野にはさらなる需要拡大が期待されました。

ロミカのサーフシューズ、ウォーキングシューズ、テニスシューズは
この新しいレジャーの流れの中で
「スポーティな」パートナーとなりました。

そしてスペインの工場や
フランスのバールにできた新しい工場は
ヨーロッパにおける製造業、販売業としてのかかわりを示しました。

ロミカ1977年の広告から。
テニスシューズからレディースサンダルまで
バリエーションをアピール

Romika print ad 1977

この夏はスポーティ・エレガンス。

ロミカ
スポーツ & エレガンス

ロミカ1984年の広告から。
サーフ&スキューバダイビング用シューズの世界にも進出しています。

Romika Sufen'84

ロミカ・サーフィン’84

ロミカ・シューズ
サーファーのためのインフォメーション。

ロミカのサーフ・ブーツ(1984年)

1980 – 1990

  • フィットネス
  • レジャー
  • ファッション

1980年代の靴市場の核となる
3要素でした。

ロミカは、スポーティでカジュアルなシューズを生産。
需要に応じました。

さらに技術革新に積極的に挑戦

(撥水・通気技術である)「メンブレン・テクノロジー」を用いたフットウェアを展開。

最新機械を使用して
35,000足以上の高品質の靴が
毎日生産されていました。

Romika production

Romika production

ロミカ当時の生産風景

1990 – 1996

1990年代に入り
ロミカ社には大きな変化がありました。

創設者ヘルムート・レム氏が1988年に死去。
彼の家族はロミカの事業から引退しました。

新しいオーナーにはレネ・C・イェギ氏が就任
ロミカ社のリーダーシップを引き継ぎました。

Romika shipping

Romika shipping

ロミカ当時の配送システム移り変わり

現在ロミカは老舗靴ブランドの傘下に

Josef Seibel and Romika

www.josefseibelandfriends.co.uk

2005年

ヨセフ・サイベル・グループがロミカを買収。
当時会社は支払不能状態でした。

新会社として「ロミカ・シューズ有限会社」(Romika Shoes GmbH)を設立します。

ドイツ・トリーアの本社で働いていた
80人の有能なスタッフの雇用を維持。

同様に、チェコ共和国の工場で働く300人の従業員の
雇用継続を認めました。

そして将来に向け
シューズブランド「ロミカ」の継続を決定しました。

「ヨセフ・サイベル」1886年から続く老舗靴メーカー
現在「ロミカ」はヨセフ・サイベルの傘下ブランドです。

ヨセフ・サイベル・グループは
(取締役社長である)
カール・オーガスト・セイベル氏の指揮の下
経営を行い

(ヨセフ・サイベルとロミカの取締役である)
アンドレアス・ガルニエ氏の監督のもと
ドイツ・トリーア
の経営を行なっています。

「トリーア」とはドイツ「ロミカ」社の本社がある場所。
ブランド名が「ROMIKA」となった創設時以来の生産拠点です。

他の企業が、生産拠点を極東(アジア)方面に移す今日

ヨセフ・サイベル・グループは
あくまで生産拠点を「ホーム」に置くことに
こだわっています。

スローガンは「ヨーロッパのコンフォート・シューズ」。

生産の70%は東ヨーロッパ
5%はドイツを含む西ヨーロッパで行い
25%はアジアで生産しています。

Romika online shop

www.romikashop.de

via. romika.de

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