1960年代後半に登場したトレーニングシューズ。
ブルースウェードのアッパーに、厚手のヒール・ウェッジ(くさび型のミッドソール)が特徴で、同時期にリリースされた「SL 72」のベースとなったモデル。
いわゆるランニングシューズの元祖のひとつで、その後のアディダスの長距離用シューズ、ジョギングシューズの雛形となったモデルです。
厚手のヒール・ウェッジを採用した「元祖ランニングシューズ」
モデル名「Achill」の由来は「アキレス腱」から。
トレーニングの際に、アキレス腱にかかる衝撃を軽減するために開発されたモデルで、厚手のウェッジ(「くさび形」の意味で、かかと側のミッドソールが爪先側より厚い)を採用したことで、長距離用シューズとして活躍。
「アキルは1970年代以降の、ランニングシューズのベースとなったモデルである」と、ランニング情報誌「ランナーズワールド」の記事では断言しています。
Laufschuh-Geschichte : Runner’s World
中央ヨーロッパでジョギング・ブームが始まるずっと前。
さかのぼること1968年にアディダスは(当時の)新作モデル「アキル」を発表。
「アキル」のリリースは、初期ランニングシューズの発展にとって画期的な出来事となりました。
ほとんどのランナーはそれまで、「ローマ」(1960年)や「ガゼル」など、標準的なスポーツシューズでランニングしていました。
しかし「アキル」は、かなりソフトで柔らかいミッドソールを搭載。
アッパーはガゼル・レザー製で、レースアップ部分にはすでに「ギリー環」を装備。アウトソールには、のこぎり状の「ソー・プロファイル」を採用していました。さらに翌年の1969年には、衝撃を減らすための仕様「ヒールウェッジ」を導入。前足側よりもヒール下の素材を厚く、かかとを高くすることで衝撃を緩和するというものです。
多くのランナーは従来のシューズのデザインに対して、アキレス腱に痛みが起こることに不満をもっていました。
しかし「アキル」が足への振動を減らすという点においては、飛躍的な進歩でした。
発売当時のカタログ(1972年にイギリス国内向けに発行されたカタログ)では、「アキル」がランニングに特化したトレーニングシューズの新型モデルとして、大きくフィーチャーされています。
スーパーライトブルーのベロアをアッパーに使用した、素晴らしいトレーニングシューズのニューモデル。
アキレス腱にかかる負担を和らげるために、すべての優れた技術を導入しています。
丈夫でグリップ性能の高い「トレッド・ソール」は、厚手のヒール・ウェッジをしっかりと包み、ランニング中に優れたクッション性を発揮します。
ナイロン製のヒール・カップを搭載し、足首のねじれや踵のずれを防止。
タンには発泡素材が採用され、足にぴったりフィットします。
非常に魅力的な価格です。
西ドイツ製オリジナル・デッドストック
ドイツ・ハンブルクでビンテージスニーカーとアパレルを販売するVintage Galleryさんのインスタから。1970年代のアディダス・アキル。
西ドイツ製の未使用品(new old stock)で箱有りが2点。どちらも状態の素晴らしい美品です。
復刻モデル
2011年にアディダス・オリジナルスから元祖ランニングシューズとしてリリースされた復刻モデル。
イングランド・ミドルズブラの人気セレクトショップ「Triads」の解説によると、「アキル」はその後登場したアディダスのランニングシューズすべての生みの親であり、SL72が登場するまで現役モデルであった(正確にはSL80がリリースされるまで現役だった)と書かれています。
オリジナル・リリースは1968年。
アディダスのランニングシューズはすべて「アキル」から始まりました。
超軽量でスリムなスタイルで、ジョガーとランナーが必要とする快適さと安定感を提供。
「SL72」がリリースされたときにアキルは生産をやめ、今日までアディダスの歴史のひとつとして眠っていました。
2011年、このランニングシューズの古典は、オリジナルの配色で復活。
アッパーには柔らかいスウェード、ストライプはレザー製、そしてヒールタブをフィーチャー。快適さのために厚手のミッドソールを採用しています。
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